
HPで紹介したい「動物病院らしさ」が飼い主さんの心を動かす

開業するときにHPを作った方がいいと聞いて作られる院長先生も多いのではないでしょうか。
初めてHPを作るときは、「何を載せたらいいのか」分からないとご相談いただくことが多いです。
動物病院のHPでは、飼い主さんが「うちの子を診てもらおう」と思っていただけることが大事になりますね。
このコラムでは元獣医師Webデザイナーの視点で、どんなHPが飼い主さんの心に響くのかをまとめています。
- 獣医として動物病院や保健所に勤務17年
→Webデザイナー3年目 - 2025年WEB解析士試験に合格
- 趣味は旅行・登山・読書
- 猫が好き

- 循環器に強い
- 腫瘍の専門医がいる
- 整形外科の手術ができる
- 最新の設備がある
このような専門性は、飼い主さんが病院を探しているときの決め手になりそうです。
でも、同じ専門性を持つ病院が複数あった時に、どこにお願いしたらいいのか飼い主さんはきっと迷うのではないでしょうか。
- 先生はどんな人なんだろう?
- 聞きたいことがたくさんあるけど、質問して大丈夫かな。
- うちの子はかなりの人見知りなんだけど、対応してもらえるかな。
- ネットで病気について調べたけど、そのことを伝えたら怒られないかな。
治療以外にも飼い主さんはたくさんの不安や困りごとを抱えています。
専門用語を分かりやすく伝えるには
動物病院のHPでは「インフォームドコンセント」という言葉をよく見かけます。
「インフォームドコンセント」とひと言でいっても、病院によって対応は変わりませんか。
インフォームドコンセントがどのタイミングで行われるのか、どんな説明をしてもらえるのか、飼い主さんの希望を聞いてもらえるのか、
具体的な説明が添えられていると理解しやすくなります。
各病院で診察の進め方やスタンスは違うと思うので、以下は一例です。
- 通常、料金の説明は検査の前に行なっています。
料金の説明なしで、検査や治療に進むことはありませんのでご安心ください。 - 病気の説明は、飼い主さん向けの資料をお渡ししてお伝えしています。
そのため、自宅に帰ってから資料を見返したり、他のご家族に病状を説明しやすくなるようにしています。
これらは一例ですが、具体的に伝えられることやエピソードがあると印象に残りやすくなります。
例)動物病院の工夫を伝える
私は2ヶ所の動物病院に勤めていたことがあるのですが、2ヶ所目の動物病院では、病気について飼い主さん向けの資料を用意していました。
A4、1枚のJAHAが作っている資料でした。
(10年前の時点で、それなりに年季の入った資料だったので、今は刷新されているかもしれません)
資料はイラストが載っていて、一般の方向けに作られていました。
その他に、説明資料として書籍を利用することもありました。
すがわ「イヌ・ネコ 家庭動物の医学大百科」という書籍を使っていたのですが、現在も使われていますかね^^
言葉で説明すると分かりにくいことも、イラストまたは模型を使って説明すると、飼い主さんは理解しやすくなるようでした。
「うちの病院はこんな工夫をしていて、飼い主さんから喜ばれているなぁ」と思い当たることはありませんか。
思い浮かぶことがあったら、HPでご紹介することをお勧めします。
院長先生の考えや思いを伝える
次に、HPに掲載したいのは院長先生の考え方や思いです。
もしかしたら「いやいや、自分が病院を受診する時にわざわざクリニックのHPで院長のメッセージなんて読まない」と思われるかもしれません。
確かに近所にクリニックが1軒しかなければ、HPでは診療時間を見るだけかもしれません。
ただ、近所に動物病院が数件あったり、「近所の動物病院に連れて行ったけど、転院したい」と思ってる飼い主さんが見たら…?
HPの中身をチェックして、他院と比較したり、Googleの口コミに目を通すと思われます。
小規模の動物病院の場合、院長の考え方や価値観が病院のスタッフや雰囲気に浸透しています。
HPでは、どうして獣医師になったのか、勤務医ではなく開業医になったのか、ご自身の考えをお伝えしてみてはどうでしょうか。
「小さい頃から動物が好きで獣医師になった」と書くとしたら、具体的なエピソードも添えるといいですよね。
飼い主さんが興味深く読んでくれると思います。
例えば私が獣医師になったエピソードを以下に書いてみました。
野良猫が、自宅に住み着いたのが動物との暮らしの始まりでした。
餌をあげていたわけではないのに、縁側に住み着いた黒猫。ジジと名付けてとても可愛がっていました。
間もなくして、ジジが妊娠していることに気づきます。
妊娠中でも不妊手術ができると知り、近所の動物病院で手術をしてもらったのですが、術後に亡くなってしまいました。
その知らせを受けた母が泣き崩れ、その状況は今も脳裏に焼きついています。
私にとって猫は大切な家族です。
悲しくて私が泣いてる時は膝に乗って、ただ一緒に過ごしてくれました。
言葉は話せないけど、心を通わせることができると思っています。
私にとって、動物の存在は支えになり「自然と獣医師になりたい」と思っていました。
拙い文章ですが、具体的なエピソードがあるとその人らしさが伝わってくると思います。



立派なエピソードでなくてもいいのですよね。
飼い主さんは1人の人間として、信頼できる先生を探しているからです。
AIが書けない文章に動物病院らしさが出る
HPから以下のようなことが伝わるといいのでは?と冒頭で書きました。
- 聞きたいことがたくさんあるけど、質問して大丈夫かな。
- うちの子はかなりの人見知りなんだけど、丁寧に対応してくれるのかな。
- ネットで病気について調べたけど、そのことを伝えたら怒られないかな。
一般的な質問には、AIが答えてくれます。
つまり、HPにAIが作った文章を載せる意味はないと思うのです。
手間はかかりますが、院長先生やスタッフさんの言葉でお伝えすると、他の病院とは違ったHPになります。
HPが動物病院の分身のように、来院する前に様子が分かることが飼い主さんの安心感につながります。
まとめ|HPで紹介したい「動物病院らしさ」が飼い主さんの心を動かす
私が勤務医だった頃は10年前でしたが、当直をしたり、夜中のオペに立ち会ったり、体力と気力勝負の現場でした。
動物病院には人間のような公的な保険診療はありませんし、小規模の病院は院長が診療と経営の両方に携わっており、想像以上の大変さだと思います。
そのため、動物病院を開業されることは本当にすごいことだと思うのです。
HPでも院長先生が「なぜ獣医師になったのか?開業したのか?」ありのままにお伝えしていただけたらと思っています。


