動物病院の情報発信|来院前から病院のことを知ってもらうために

元獣医師で、現在は八王子でHP制作をしている栖川(すがわ)です。

現在は様々な地域の事業者さんのサポートをさせてもらい、情報発信の大切さを感じています。

でも、10年以上前に私が動物病院で勤務医をしていた当時は

獣医師として知識や技術を身につけて、丁寧に診療していれば、飼い主さんは来てくれる、
良い診療をしていれば、評判や口コミで伝わっていく、

と思っていました。

技術はとても大事なのですが、飼い主さんやお客さんが知りたいことはそれだけではないと思います。

また、「ブログやSNSを集患する」と考えると気後れしてしまうかもしれませんが、来院する前の飼い主さんに「病院のことを知ってもらい、安心してもらうため」と考えてみるのはどうでしょうか。

今回は、「発信をしてみたい」と考えている動物病院さんが無理せず続けられるように発信についてまとめました。

目次

来院前から病院のことを知ってもらう

私は勤務医を経て保健所で獣医師として働いた後に、個人事業でホームページ制作を始めました。

私が創業した当初は、お客さまがほとんどいなかったです。

公式ホームページを作り、ブログやSNSで発信しているうちに、地域の方から少しずつ仕事のご相談をいただくようになりました。

そこで気づいたのは、HPから仕事のご依頼をくださるお客さまとは、初対面とは思えないほどコミュニケーションがしやすいということ。

理由を考えてみたのですが、HPにサービスや料金だけでなく、なぜホームページ制作を始めたのか、どんなお客様の役に立ちたいのかなど詳しく書いているのがポイントだと思っています。

HPを見て「この人なら合いそうかな?」と思って相談しに来てくれているように思います。

逆に「この人とは合わなさそう」と思われて、縁がなかった方もいると思います。

発信することで、自然に「合う・合わない」のすり合わせが起きていると思うのです。

すがわ

私は実際にお仕事をさせてもらうときの人間関係を大事にしたいため、目には見えないフィルターが働くことは良いことだと考えています。

双方向のやり取りができる発信とは?

発信するのは、「飼い主さんの来院数を増やすため」と考えることもできますが、「貴院の雰囲気が好き。この病院にお世話になりたい」と思ってくれる方に見つけてもらうことが大事だと考えています。

HPを見て病院や先生・スタッフさんの様子が分かると飼い主さんにとって安心材料になり、初対面で何も知らない状態からお話しするのとは状況が変わってきます。

HPやブログ、SNSは一方的な情報発信のように思えてしまうのですが、使い方によっては双方向のコミュニケーションに役立ちます。

例えば、病気についての知識を伝えることは発信が一方通行になりやすいと思っています。

専門的な情報発信はとても大事です。
双方向の発信について分かりやすく説明するため、上記は一例として紹介しています。

一方、双方向の発信は手紙に似ています。

以前、ある動物病院さんのHPを見ていたときのことです。

「勤務医の先生が退職するので、送別会を開いた」という院長先生のブログを読みました。

「退職される勤務医の先生をとても信頼していた」と書いてあり、「退職後も活躍してほしい」とエールを送られていました。

送別会の写真も添えられていて、「仲が良く、チームワークのいい病院なんだな」と思ったのです。

就職活動をしている学生さんがこのブログを見たら、採用サイトにある立派な文章を読むよりもずっと安心するのではないでしょうか。

院長先生の人柄やスタッフさんの普段の様子が伝わってきますよね。

読んだ人が「どんな病院なのか」や「働く先生やスタッフさんがどんな人なのか」が分かるので、興味を持ってもらいやすいです。

ブログを見た飼い主さんとの話のきっかけになるかもしれません。

私はこのようなブログが「双方向のコミュニケーションになる」と考えています。

飼い主さんと接点を増やす情報発信の流れ

STEP
知ってもらう

STEP
病院に興味を持ってもらう

STEP
親しみや安心感を感じる

STEP
必要になったときに「ここに相談してみよう」と思い出してもらう

発信内容のアイデア

それぞれの動物病院で、どんなことを発信するかテーマを考えておくと良いと思います。

  • 今日、飼い主さんからこんな質問をされた
  • 最近、飼い主さんからこんな言葉をいただいた
  • この時期はこういう相談が多い
  • 新しい設備を導入した
  • スタッフがこんな工夫をしている
  • 院長先生が診療で大切にしていること

広報を担当している人が一人の場合は、院内で「どんな発信をしたらいいと思う?」と休憩中などに聞けると良いですね。

あとは、院内に共通のノートを用意しておいて、アイデアを書いてもらう方法もあります。

発信は信頼関係を作るための手段

「HPやブログなどで貴院の情報が分かること」と、「実際に来院してみたら思った通りの病院だった」この2つが揃って、信頼関係が育まれていきます。

HPには良いことがたくさん書いてあったけど、「実際来院したら、思っていたのと違っていた」というのは避けたいところです。

そのため、情報発信は背伸びせず、普段の延長で取り組んだ方が動物病院にも飼い主さんにも良い効果があります。

発信活動を院内で共有する意義

動物病院が発信を始める前に、院内で「なぜ発信するのか」「どんなことを発信するのか」を共有できるといいですね。

発信する目的を院内で共有しておくと協力してもらいやすくなります。

発信の目的(例)「飼い主さんにホームケアに力を入れている病院だと知ってもらい、安心して来院してもらいたい」など

発信作業を負担なく進めるには

発信作業は「新しい仕事を増やす」ことになるので、負担が増えてしまいます。

体制が整っていることを前提にご説明すると、発信作業もできるだけ「ついでに」やってしまうのがおすすめです。

誰がどのタイミングで発信するのかなど、体制の整え方については別のコラムでご紹介します。

「ついでにやる」というのは、新しく時間を作るのではなく、すでにやっていることにくっつけてしまうことです。

例えば、毎朝お風呂に入ったあとに風呂掃除をすると決めておけば、「風呂掃除をしなくちゃ」と、掃除のためにわざわざ時間を作らなくても済みます。

病院によってやり方は違うと思うのですが、「院内ミーティングの最後に発信について話し合う」「水曜日の昼休憩の後に発信の内容を決める」など、流れを作っておくと続けやすくなります。

まとめ|動物病院の情報発信

HPやブログ、SNSで発信を続けていくと、病院と飼い主さんとのコミュニケーションのきっかけが増えます。

私自身、発信を続けていて一方通行ではないと感じるようになりました。

公式ブログを地道に更新していると「読みました」と連絡をくださるお客様が現れたのです。

発信は作業に時間がかかったり、初めのうちは誰からも反応がなく、モチベーションが下がってしまうことがあります。

手紙を書くように受け取ってくれる相手のことを考えて文章を書いていると、少しずつやり取りが生まれてくると思います。

貴院でも発信を小さく始めてみませんか。

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